修理アイキャッチ

自作PCのブルースクリーンや自動修復、ファンが動作しない

【症状】

今回は自作PCについて、以下の症状が発生するとのことでご依頼をいただきました。

  • ブルースクリーンが発生したあと、自動修復を繰り返してWindowsが正常に起動しない
  • BIOS上でSSDが一時的に認識されなくなった
  • ケースファンの一部が回転しない、またはLEDが点灯しない

複数の症状が発生しているため、それぞれ原因が同じとは限りません。
まずは症状ごとに切り分けながら調査を行います。

【作業:原因調査】

ブルースクリーン・自動修復ループ

お預かり後、起動確認や各種テストを行いましたが、ブルースクリーンや自動修復ループの症状は再現しませんでした。Windowsに記録されているログの確認に加え、CPU・メモリ・ストレージなど各パーツの負荷テストやエラーチェックも行いましたが、テスト中の動作や結果に明らかな異常は確認できませんでした。

症状が再現せず、エラーにつながる明確な手がかりも確認できなかったため、原因を特定することはできませんでした。

BIOSでSSDが一時的に認識されない

こちらについても、お預かり中には症状を再現できませんでした。

お客様から、

「SSDの裏側が剥がれかけているのが気になる」

とのお話があったため、SSDを取り外して確認したところ、SSDのラベルとバックプレートの一部が浮いている状態ではありましたが、基板や端子部分などに目立った異常は確認できませんでした。

ケースファンの一部が動作しない

このPCには、ケースファンとラジエーターファンを合わせて合計13個のファンが取り付けられていました。

確認したところ、

  • 3個:ファンは回転するがLEDが点灯しない
  • 2個:LEDは点灯するがファンが回転しない

という状態でした。

配線を確認した結果、それぞれ必要なケーブルの一部が接続されていないことが分かりました。

PC用のLEDファンは、基本的に

  • ファンを回転させるためのケーブル
  • LEDを点灯させるためのケーブル

の2系統に分かれています。

今回のPCではファンが13個あるため、ファンだけでも合計26本のケーブルがあります。

さらに電源や簡易水冷、USBなどの配線もあるため、組み立て時に一部のケーブルが接続されないままになっていたものと思われます。

動作していなかったファンを個別に接続して確認したところ、ファンの回転・LED点灯ともに正常で、ファン本体の故障ではないことが確認できました。

調査中に見つかった4つ目の症状

調査を進めている途中で、別の症状も確認しました。PCをスリープ状態にすると、本来はLEDがゆっくり点滅するところ、

「一度LEDが消えたあと再びゆっくり点灯する」

という動作を繰り返し、さらに簡易水冷CPUクーラーのヘッド部分にエラーが表示されていました。

配線を詳しく確認したところ、PCケースの電源スイッチなどを接続する「フロントパネルコネクター」の一部が、本来の位置から1ピンずれた状態で接続されていました。

正しい位置へ接続し直したところ、スリープ時の不自然な動作と簡易水冷クーラーのエラー表示は解消しました。

電源操作に関係する部分の配線不良だったため、過去に発生したブルースクリーンや自動修復ループ、SSDが一時的に認識されなかった症状にも何らかの影響を与えていた可能性はあります。

ただし、これらの症状は今回の調査中には再現していないため、今回見つかった配線ミスが直接の原因だったと断定することはできません。

【修理方針】

ここまでの調査結果をお客様へご説明しました。

ブルースクリーンと自動修復ループについては症状が再現せず、各種テストでも異常が見つかっていないため、現時点で原因を特定することはできません。症状的にはシステム側の異常の可能性があるため、OSの初期化・クリーンインストールが選択肢となります。

ただし、今回の調査中に電源スイッチ周辺の配線ミスが見つかっているため、まずはこちらを修正した状態でしばらく使用し、同様の症状が再発するか様子を見る方法もあります。

ケースファンについては、本数が多く配線も複雑な状態だったため、一度ファン関連の配線をすべて取り外し、整理し直して再配線することをご提案しました。

お客様とご相談した結果、OSの初期化については現時点では行わず、まずはケースファンの再配線を実施して様子を見ることとなりました。

【作業:ケースファンの再配線】

まず、合計13個のファンに接続されているケーブルと電源ユニット周辺の配線を取り外します。

ファンごとに絡まっていたケーブルを一度ほどき、どのケーブルがどのファンにつながっているのかを確認しながら整理していきます。

13個すべてのファンをマザーボードやコントローラーへ個別に直接接続するだけの端子数はないため、分岐用のスプリットケーブルやデイジーチェーン接続を利用して、いくつかのグループにまとめて接続します。

配線後にPCを起動して確認したところ、すべてのファンの

  • ファンの回転
  • LEDの点灯

が正常に動作することを確認できました。

その後、ケーブルに無理な力がかからないよう位置を調整しながらケース内部へ収めました。

【作業完了・引き渡し】

再配線後も複数回の起動確認を行い、CPUやメモリなどへの負荷テストも実施しました。

ブルースクリーンやSSDの認識不良などの異常は発生せず、ケースファンもすべて正常に動作していることを確認しました。

以上で作業完了とし、お客様へ結果をご連絡したうえで返却日時をご相談し、PCをご返却しました。

今回については、ブルースクリーンなど一部の症状について明確な原因を特定することはできませんでした。

そのため、今後使用していて同様の症状が再び発生する場合には、発生時の状況やエラー内容を確認しながら改めて原因を調査することになります。

【もしケースファンが直らなかった場合】

今回は配線の接続を修正することで正常に動作しましたが、もし配線を直しても改善しなかった場合は、

  • ファン本体
  • 分岐用のスプリットケーブル
  • ファンコントローラー
  • マザーボード側のファン/LED端子

などを順番に確認し、どの部分に問題があるのかを切り分けます。

ファンやスプリットケーブルが原因であれば、該当する部品を交換することで対応できます。ファンコントローラーが原因の場合も、基本的にはコントローラーの交換を検討します。

マザーボード側の故障だった場合は、使用している端子を変更して対応できる場合もありますが、使用可能な端子が足りない場合などはマザーボード交換も選択肢となります。

マザーボード交換となった場合は、Windowsのライセンス認証やドライバーの再設定などが必要になるため、OSの再セットアップも含めて検討します。